12都市12バス物語 (製作者:してきや)

またしても大学時代の話。毎年、学園祭の模型運転会でストラクチャー用のバス模型を展示している私でしたが、学生最後のこの年ははっきり言ってネタ切れでした。そんなとき前述のように「センチメンタルジャーニー」に出会ってしまいました。そうだ、センチの12人が住んでいる街のバスを作ろう! こんな半ば無理矢理な理由で「学祭までに札幌から長崎まで12のバスを作る」という「12都市12バス物語計画」がスタートしました。

名古屋 (山本るりか) [1]名古屋市交通局

まずは地元から、ということで名市交です。

ベース車はトミーの富士重工路線バス。2段窓のピラーをヤスリで削って引き違い窓に改造したのが改造ポイントですが、間違って側面方向幕部分も削ってしまいました。本当は後扉を増設して3ドアにしたかったところを時間が無いので省略。塗装はMrカラースプレーのブルーを全体に吹き、ライン部分をマスキングしてホワイトを吹きました。仕上がりは多少吹き込みがあったものの想像以上の出来です。鉄研部員には「こんなのマスキングでよく作ったもんだ」という誉め言葉?をいただきました。

名古屋 (山本るりか)  [2]名古屋鉄道

この模型は98年8月に行われたイベント「飯田線愛好者文化祭98」に「豊橋鉄道バス」として出展したものであり今回の企画のために作ったものではありませんが、名鉄バスの旧塗色と同じなのであえて登場させていただきます。

ベースはトミーの三菱ふそうバス。車体は側面広告枠を削った以外改造らしい改造はしていません(以後製作の三菱ふそうベースの車は同様の改造を施工)。塗装はMrカラースプレーだが名鉄らしい色に仕上がりましたが、重大なミスを発見。名鉄バスの特徴とも言える後部の「逆富士型」のラインを入れ忘れました。学祭展示中に見学者に指摘されるまで全く気が付かなかったのは不覚でした。

札幌 (沢渡ほのか)  札幌市交通局

これまでの塗装は何とかスプレーで間に合いましたが、札幌市営の場合、スプレーに地色のベージュ色としての適当な色がありません。早くもこの企画、暗礁に乗り上げる? 仕方が無いのでエアブラシ購入という「大英断」を下しました(そんなに大袈裟なものか?)。

エアブラシと言ってもタミヤスプレーワークの一番安いタイプ。3000円程度の買い物とはいえ貧乏学生だった当時としては大きな出費です。車体は名市交と同様窓枠を削って引き違い窓仕様に改造。地色は「バスカラー年刊」の写真を参考にベージュ色に調合。マスキングも吹き込むことなく、今シリーズ中で1・2を争う仕上がりとなりました。完成後、製作したものが旧塗装であることが判明。しかし新塗装のデザインは模型化が難しく見えたので、結局は旧塗装を選んで正解でした。

長崎 (遠藤 晶) 長崎県交通局(高速)

「センチ」をプレイしたことのある人ならご存知かと思いますが、ゲーム中で移動手段に「深夜バス」を選んだ時に高速バスの絵が出てきます。私の場合当然ながら「一体どこのバスだろう?」と気になったので資料を調べたところ「長崎県営バス」であることが判明。長崎といえば遠藤晶、というわけでこのシリーズに加えました。

ベース車には当時発売されていたグリーンマックス製「三菱ふそうスーパーエアロ高速バス」の白塗装ヴァージョンを使用。3色あるラインはGMカラー「青15号」「青22号」をそのまま、または調合して使用しました。一体成形品なので窓部分もマスキングしなければならないなど塗装が難しく、苦労した割には雑な仕上がりとなったのは残念です。「KEN−EI BUS」の文字を入れると見栄えがするかも??? そういえばアニメでは「長崎バス」の貸切車が出てたなぁ。すっかり忘れてた。

高松 (杉原真奈美) コトデンバス

製作当時杉原真奈美ファンページの掲示板で常連だったことと、この年の学祭の展示が「四国合宿」だったこともあって製作した模型です。

当時、当初ベース車に使用予定だった富士重工バスのストックが切れていたので、三菱ふそうを使用しました。旧型車体を使うなら赤いラインの旧塗装のほうが似合ところを、今回はあえて水色「K」ラインの新塗装に挑戦。


これが「事故写真」

この塗装の難しいところはKラインの外側に細い茶色の線があることです。まず全体を「青22号」吹いてKラインをマスキング。次に「ぶどう色2号」を吹いてKラインを縁取るようにマスキング。そして最後に地色の「小田急アイボリー」を吹いて完成です。茶色ラインは場所によって太さが変わってしまい満足行く仕上がりにはなりませんでしたが雰囲気は出たと思います。やっぱり旧塗装のほうが良かったかな?

 学祭展示時にはくまら氏製作の「琴電5000系」と踏切で衝突させて「コトデン同士の事故」などという不謹慎な写真も撮影しました。

金沢 (保坂美由紀) 北陸鉄道

アニメでは美由紀が北鉄バスに乗って兼六園へ行く場面があったので模型化しました。

北鉄には富士重工ボディのバスはいない(と思った)のでふそうバスを使用。ライン部分はMrカラー79「シャインレッド」、地色は「小田急アイボリー」を使用。ラインは前に行くにしたがって太くなっているので難しく、多少の吹き込みも出てしまいました。修正後はまずまずの出来になった、と思って資料と見比べてみたら屋根上にもラインがあることが判明。今後追加しなければなりませんね。

大阪 (森井夏穂) 大阪市交通局

私は夏穂のファンなので大阪は外せません。いったんは富士重工をベースに製作しましたが、中ドアであるため雰囲気が出ず、また屋根上のラインを入れ忘れたのでGMの「いすゞキュービックバス(前後扉)」を使用して改めて製作しました。大阪市営にIKC製キュービック車体のLVが居るかどうかは知りませんが、キットの説明書に大阪市営の塗り分け例があったので問題無いかな? 

塗料はMr64「ルマングリーン」とGM「小田急アイボリー」を使用。ドア部分のマスキングに苦労した割には吹き込みも無く想像以上の良い仕上がりです。これもキャラに対する愛情の現れか? 前面にキット付属の大阪市の市章「澪つくしマーク」のデカールを貼り完成。後輪タイヤハウス部分にカバーを付ければさらに良いかも。

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